2016年10月18日火曜日

個人情報保護法ガイドライン

個人情報保護法のガイドラインのパブリックコメントが行われている。そして、主に中小企業向けの全国的な説明会が11月ぐらいから始まり、宮崎県は、平成28年11月9日の予定である。


   中小企業向け個人情報保護法の全国説明会(平成28年度)HP


今まで5000件以下のデータを扱う会社等については、この個人情報保護法が適用されなかったが、平成29年春ごろからすべての会社等に適用される。


マイナンバーの時もそうだったのだが、100人以下の中小零細企業にとって、これが全面施行されると大変な状況になるので、「緩和措置」がある予定だ。


もっとも社労士事務所は、マイナンバーと同じで「緩和措置」などない。説明会も含め今後勉強してゆかないといけないことになってくる。



マイナンバーも本格的になってくるので。。。

2015年11月3日火曜日

小さくてもパートさんがグッとくる会社

10月末に「小さくてもパートさんがグッとくる会社」という本が、労働調査会という出版社が発売された。宮崎市の同僚社労士川越雄一氏の著作である。


勉強会等でいつも川越氏の話や本の作成途中の苦労話を聞いているので、どんな内容かはおおよそ予想はついたのだが、さっそくこの本を読んでみた。


数年前までは、私の事務所でも一人の募集に対し数十人の応募があったのだが、最近は募集してもなかなか応募がない。数人程度の応募の中から選考せざるを得ない。


似たような状況は、関与先でも同じようであり、特に介護関係の業界は、結構深刻なようであり、いつも愚痴というか「人が来ないという」声を聞く。


このような中、発行されたこの本は、今のような状況を解決するうえで、いろんなヒントが出ているのだが、いかにも川越氏らしい中身に出会う。


まず、労務を経理感覚で考えない、つまり「法律プラス経営」ではなく、かける「人の気持ち」を考える。すなわち「人は理屈では動かない」ということの大事さである。


次に、パートの採用に結構時間をかけ、手順を踏むということや私だったらとてもマネのできない求人票の書き方や手紙のことなどがいくつも書かれてあることである。


また、小話も出てくるのだが、この小話を作るために浅草の演芸場にも通ったらしい。研修かなにかのついでだったようだが、これも川越氏らしい発想の一つである。


ぜひ、一読を薦めたい本である。










2015年8月8日土曜日

管理区域と取扱区域

事務所は、私も含めて5人であり、スペースも14坪ぐらいである。このような小さい事務所でも管理区域と取扱区域をきちんと明確にしなければならない。現在でている本などを読んで考えつくのは、だいたい次の3つぐらいである。ひとつは、管理区域と取扱区域をきちんと分けること、二つ目は、管理区域と取扱区域を一体と考えて対処すること、三つめにクラウドを活用して管理区域をなくすことである。



一つ目の管理区域と取扱区域を分けることでは、ガイドラインの中で示されているように事務所の中できちんと区切って、部屋を作り、管理区域への出入りを「ICカード、ナンバーキー等による入退室管理システムの設置等」を行うことである。私の事務所をこれで対応するには、部屋を別につくり、サーバールームにするか、作った部屋を所長室にして、そこに大金庫を設置しそこに「特定個人情報ファイル」を紙ファイルにして置くことぐらいだろうか。



もちろん、入退室管理システムの設置が必要なのだが、サーバールームはもちろんのこと所長室を作ることも、残念ながら現実ではない。所長室を新たに作るとなるとその部屋が「隔離部屋」みたいになってしまうぐらい小さくなるのである。管理区域と取扱区域がきちんと明確にできるような事務所に引っ越すのも一つの手かもしれないが、これまた費用が新たにかかり過ぎるので、とてもこの案も採用できるものではないのである。



二つ目は、管理区域と取扱区域を一体と考えて対処することであるが、この措置ではお客様を応対する部分とと事務室とを明確にし、合わせて一体となった管理区域と取扱区域、部屋への「入退室管理システムの設置等」が必要である。この案は、会計事務所に対するマイナンバーに関する研修会資料から得たヒントなので、社労士事務所も参考になるのだが、ガイドラインにおける「ICカード、ナンバーキー等による入退室管理システムの設置等」をクリアできるか現時点では、自信がない。



三つ目は、クラウドの活用である。つまり、特定個人情報ファイルを取り扱うクラウドを管理区域とすることで、事務所の管理区域をなくし、事務所を取扱区域とするものである。業務用ソフトのベンダーもこの方式を採用しようとして、セミナーなどをして営業攻勢をかけている。結論としては、この3番目の方式が今は、ベストかなと考えているところだ。後は、費用をどうするかだ。

2015年5月10日日曜日

懲戒解雇と失業給付について その3

1、まず、労働基準法20条にある「労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇」について検討する。

1)通常この規定は、監督署の除外認定を受ければ、解雇予告手当を払わなくてよいとするための規定として、存在する。労働法コンメンタールによれば、この認定は、解雇予告制度により労働者を保護するに値しないほど(つまり、予告手当を払う必要のないほど)の重大又は悪質な義務違反ないし背信行為が労働者に存する場合でる。ただし、企業内における懲戒解雇事由とは必ずしも一致するものではないとも述べている。


2)そして、労働法コンメンタール(平成22年度版)では「労働者の責に帰すべき事由」として認定すべき具体的事例として、次の6つが紹介されている。
(イ)原則として極めて軽微なものを除き、事業場内における窃取、横領、傷害等刑法犯に該当する行為のあった場合。
(ロ)賭博、風紀紊乱(びんらん)等により職場規律を乱し、他の労働者に悪影響を及ぼす場合。
(ハ)雇入れの際の採用条件の要素となるような経歴を詐称した場合及び雇入の際、使用者の行う調査に対し、不採用の原因となるような経歴を詐称した場合。
(ニ)他の事業場へ転職した場合。
 (ホ)原則として2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合。
(ヘ)出勤不良又は出欠常ならず、数回に亘って注意をうけても改めない場合。

3)つまり、上記のような理由で解雇されたのであれば、除外認定をうけられ、解雇予告手当を支払わなくてもよくなるのである。もっとも認定にあたっては、上記の「個々の例示に拘泥することなく総合的かつ実質的に判断すること」になっているし、時々誤解もあるようなのだが、この除外認定は、就業規則上に懲戒解雇の規定がないと受けられないということでもない。



2、つぎに、雇用保険の規定である「自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇」について検討する。

1)「自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇」として給付制限を行う場合の認定基準(雇用保険行政手引より)よれば、
(イ)刑法各本条の規定に違反し、又は職務に関連する法令に違反して処罰を受けたことによって解雇された場合。
(ロ)故意又は重過失により事業所の設備又は器具を破壊したことによって解雇された場合。
(ハ)故意又は重過失によって事業所の信用を失墜せしめ、又は損害を与えたことによって解雇された場合。
(ニ)労働協約又は労働基準法に基づく就業規則に違反したことによって解雇された場合。
(ホ)事業所の機密を漏らしたことによって解雇された場合。
(ヘ)事業所の名をかたり、利益を得又は得ようとしたことによって解雇された場合。
(ト)他人の名を詐称し、又は虚偽の陳述をして就職したために解雇された場合。

2)上記(ニ)労働協約又は労働基準法に基づく就業規則に違反したことによって解雇された場合については、監督署での除外認定の具体的事例である「労働者の責に帰すべき事由」の6つのうち
次の4つについては、監督署の除外認定を受けることを要件としている(雇用保険行政手引上の表現と労働法コンメンタールでの表現が全く同じではないが、同じであると差支えない)。
(イ)原則として極めて軽微なものを除き、事業場内における窃取、横領、傷害等刑法犯に該当する行為のあった場合。
(ロ)賭博、風紀紊乱(びんらん)等により職場規律を乱し、他の労働者に悪影響を及ぼす行為があった場合。
(ホ)長期間正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合。
(ヘ)出勤不良又は出欠常ならず、数回の注意をうけたが改めない場合。

3)雇用保険上の「自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇」と労働基準法上の「労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇」との違いについての大きな差はないが、細かく検討すれば違いはあるので、離職票を作る際には、留意する必要がある。



3、まとめ
1)司法の場で最終決着する懲戒解雇もそうだが、監督署での除外認定、ハローワークでの「自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇」のハードルはかなり高い。

2)従って、助成金を受給している会社にとって、ちょっとしたことでも「懲戒解雇」にしたいとする「衝動」はわからないでもないが、余程の「事由」でないと無理だと考えるのが妥当である。

3)もっとも個人的には、良好な雇用関係を作っておけばこのようなことを考える必要もないのだが、もし似たような事例にぶち当たった時に、参考にしてしていただくことを期待して。。。
             

 





2014年7月30日水曜日

懲戒解雇と失業給付について その2

まず、懲戒解雇という表現は、通常、会社の就業規則の制裁のところに出てくる。つまり、制裁の一番重いものとして、懲戒解雇があるのである。もちろん、就業規則に記載されていたとしても、そのまま懲戒解雇になるとは限らない。最終的には、司法の場で決着する。


なお、参考までに、労働契約法第15条の懲戒の条文を掲載しておく。
「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。」


また、懲戒解雇という表現は、労働基準法には出てこず、労働基準法では、第20条の解雇の予告の中に「労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合」という表現で、いわゆる監督署の除外認定を受ければ、解雇予告手当を払わなくてよいとするための規定として出てくる。


さらに、失業給付において懲戒解雇の場合は、自主退職と同じように3か月の給付制限がかかる。このことは、正しいのであるが、雇用保険法の中にもこの懲戒解雇という表現はでてこない。正確には、「自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇」の中の一つである。


詳しくは、後日行政手引きによるハローワークの認定基準を見るが、就業規則にある懲戒解雇を「自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇」として認定してもらうためには、監督署の除外認定が必要なのである。


従って、社労士としての私にとって、「懲戒解雇」、「労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇」、「自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇」の3つの異同について整理しておくことは、重要だと考えるものである。






2014年7月26日土曜日

懲戒解雇と失業給付について その1

中小企業を主な顧客としている私にとって、助成金やいわゆる失業保険の給付からみて、解雇や退職勧奨あるいは雇い止め等の問題を避けて通ることはできない。


助成金をもらっている会社は解雇・退職勧奨・雇い止めについては慎重であるし、ほとんど出来ないといってもよい。


何故なら、解雇、退職勧奨に関しては一人でもあったら助成金は受けられないし、場合によっては受け取っていた助成金を返還しないといけない場合もある。


雇い止めや労働者からの退職の申し出による退職でも、その理由と一定の率や数があれば解雇、退職金と同様に助成金が受けられないことがあるのである。


一方、懲戒解雇であれば助成金を受けられないという事態は避けられるので、会社は何とか懲戒解雇にしたいと思い、相談を受けることがある。


他方、逆に労働者側は、解雇・退職勧奨であれば待期期間がなく、すぐに失業保険をもらえることをよく知っているので、解雇にならないかと考える人もいる。


このように弁護士の方の解雇、退職勧奨、雇い止めに関するアプローチの方法というか相談の接点とかがかなりが違っているのである。


従って、懲戒解雇を含めた解雇、退職勧奨等と助成金、失業保険の給付についての正確な理解が社労士の職域を守ることでもあると確信している。


そこで、まず、懲戒解雇と失業給付の問題について検討して行くことにしたい。







2014年7月17日木曜日

年次有給休暇 その5

事例2の場合、つまり夜勤専門の日給者の人(1勤務 14,000円(深夜割増分を含む)、通勤手当 1勤務 400円)の場合は、どうであろうか。


私なりの結論としては、通勤手当は支払う必要はないが、日給の14,000円は深夜割増分を控除することなく払う必要があると考えている。通勤手当については、事例1と同様の考えでよいし、日給14,000円については、この14,000円を通常賃金と考えて、支給するからである。


もし、日給と深夜割増分とを明確に分けてある場合の年次有給休暇については、少し話がややこしくなり、検討の余地が生まれてくるので、夜勤専門の人については、深夜割増分を含んで1勤務 14,000円という規定を作って、今のところ事業所を指導している。



ところで最近、事業所での研修会等において、会社の説明不足という点も重なって、誤解みたいなところも結構多いのだが、この年次有給休暇に関する質問や問い合わせが多くなってきていることを実感している。


今後、就業規則、賃金規程、労働契約書等でどのような表現が一番よいか、トラブル防止に役立つかを検討する必要があるとも考えているのだが、果たして。。。