2014年6月17日火曜日

退職金と借入金の相殺  その2

退職金が労働基準法上の賃金にあたるかについて、次に検討する。労働基準法上の賃金の定義は、以下のとおりである。

第十一条   この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。
 
 
ここで、検討する内容としては、退職金が「労働の対償」に当たるかということになる。行政解釈によれば、「発生的には恩恵的なものにみられる同じ見舞金であっても、その支給について、労働協約、就業規則、労働契約等によってあらかじめ支給条件が明確にされたものは、これによって使用者はその支払義務があり、したがって労働者に権利として保障されているわけであるから、その見舞金は労働の対償と認められ、賃金として保護することが相当である」。(其発第17号)
 
 
「このことは、退職金についても同様であり、使用者が労働条件の一つとして退職金について定めをする場合には、必ず就業規則に、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項を記載しなければならないが、労使間にあらかじめ支給条件が明確に定められ、その支給が法律上使用者の義務とされている退職金は本条の賃金であり、(労働基準法)第二四条第二項の「臨時の賃金等」である」。(其発第17号)
 
 
 
以上のとおり、退職金も労働基準法上の賃金であるので、借入金との相殺は、労働基準法第二四条の全額払いの原則に違反する。したがって、相殺はできないのである。次回で、判例はどうなっているかを見てみることにする。
 
 
 
 
 

0 件のコメント:

コメントを投稿